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ジオパークって何?

ジオパークとは、地球の成り立ちを知るのに重要な地質遺産を含む自然公園のことです。「大地」を学習することができる公園を意味します。「ジオパーク」という名称からは、地層や地形といった、地質的な観点からのみとらえがちですが、実際は、その地域ならではの環境、自然、産業、歴史、文化、伝説など、大地の上に成り立つ自然や人間の営みも全て含まれています。人間との関わりのなかで「大地」を学習できる地点のうち、認定された地点がジオパークとなります。

ジオパークの歴史は、2004年にユネスコ(国連教育科学文化機関)が「世界ジオパークネットワーク」を設立したことに始まります。この組織がジオパーク候補地を審査し、認定した地点が「世界ジオパーク登録地」となっています(2013年9月現在、世界29カ国100地域)。日本には36地域の日本ジオパークが日本ジオパーク委員会によって認定されており、うち6地域のジオパークが、世界ジオパークにも認定されています(2014年12月現在)。

日本ジオパーク登録地について、詳しくは日本ジオパークネットワークのページへ。

ジオパークが目指すものは?

大地は何も語ってくれません。
ジオパークの核となるのは大地に加え、その大地に根ざした「人間の活動」で、以下の活動が求められます。

  • その地域の伝統と法に基づき、「大地」の遺産を保護します。
    (ジオパークの登録により、新たに規制をかけるものではありません)
  • その地域において、地球科学や環境に関する教育・普及活動を行います。
  • その地域の持続可能な社会と経済の発展をめざします。
  • ジオパークネットワーク会員相互の情報交換・交流を活発化させます。

なぜ大潟村と男鹿市がジオパークに?

大潟村と男鹿市には、以下のような特徴があります。

(1)このジオパークには、国・県の各種指定地域や近代化産業遺産が豊富にあります

  • 男鹿国定公園(男鹿市)
  • 地質百選・秋田県文化財「一の目潟」(男鹿市)
  • 近代化産業遺産群「船川港石組防波堤」(男鹿市)
  • 国指定特別鳥獣保護地域(大潟村)

(2)日本で「唯一」・「最大」などと形容できる資源があります

男鹿市

  • 過去5000万年間の大地の変化を知ることができる地層群。
  • 過去40万年間の大規模気候変動と大地の挙動を知ることができる地域。
  • 活発な火山活動による噴出物由来のグリーンタフ(緑色凝灰岩)発祥の地。

大潟村

  • 日本最大の潟「八郎潟」と日本最大の干拓地、干拓地にできた唯一の村「大潟村」
  • 日本で唯一、10度単位で緯度経度が交わる「地球の十字路」の存在。

(3)この地には、以下のような重要かつ貴重な資源・資産があり、活動する人々がいます

  • 多様な地形(崖、段丘、砂丘、火山、火山湖、潟、干拓地など)
  • 大地の恵み(油田、温泉、湧泉など)
  • 遠くからの火山灰が堆積している(十和田火山、洞爺火山、白頭山(北朝鮮)など)
  • 多くの活断層
  • 八郎潟の生成と干拓の歴史
  • 災害の歴史(日本海中部地震等)
  • 豊かな自然(干拓地の湿地性里山など)
  • 独自の産業、文化、食文化、歴史遺産
  • 各地域において、民間ボランティアや各種団体が多彩に活動をしている。

大潟村のジオパークとしての独自性や魅力はどこにあるの?

大潟村エリアは、かつて琵琶湖に次いで日本第二の広さのラグーンであった八郎潟を干拓事業により干拓し、その湖底に昭和39年に誕生しました。
大潟村は、稲作中心の大規模機械化農業を実践する日本のモデル農村を目指し、昭和42年から49年までのべ5回、国により入植者が全国から募集され、営農及び生活を営むようになりました。昭和の半ばから、国により村の農業と生活の基盤が整えられ、国とともに村づくりがすすめられた自治体は、日本では大潟村以外にはありません。大潟村は、総延長51.5kmの干拓堤防で囲まれており、堤防を除いて全てが海抜0m以下となっています。すなわち、水の管理が大潟村の生命線であり、干拓堤防、排水路、排水機場など干拓地特有の施設があり、常に機能するよう適切に維持管理されています。干拓地内には整然と水田が広がり、一直線の道路、防風林など、他の日本の農村地域とは異なる景観が広がっています。
また、村内には干拓博物館や大潟富士、干拓記念碑、干拓堤防など、干拓とその歴史が理解 できる施設が整っており、大きな見所です。ガイド案内体制も充実しており、目的に応じて博物館や村内を見学することができます。

また、大潟村の土壌はかつての八郎潟の湖底土であり、ミネラル分に富んできわめて肥沃です。大潟村ではこの土壌の影響を受け、とても美味しい農産物がとれます。村内には、腐植質に富んだ500万年前の海水由来のモール温泉もあります。
このように大潟村では、八郎潟の歴史や干拓について学習できるとともに、八郎潟の「大地の恵み」も楽しめるエリアとなっています。ガイド案内や買い物、温泉入浴などを通して、全国から大潟村に入植した方々とのコミュニケーションも楽しめます。また、大潟村に隣接する男鹿市においては、過去の大地の変化や気候の変動、様々な火山活動など、日本列島の成り立ちに関わる大地の変動の証拠が男鹿半島には凝縮されています。

すなわち、大潟村と男鹿市では、男鹿半島における「日本列島の成り立ち」という時間スケールから、大潟村における「人間による大地 の創造」という時間スケールに至るまで、長短さまざまな時間のスケールで、大地のドラマと人々の活動を学ぶことができるのが、男鹿半島・大潟ジオパーク候補地の大きな特徴です。大潟村、男鹿市ともに、他の地域にはない美しい景観を有しています。そして、それぞれの地域において、特徴ある大地の恵みがあります。また、それぞれにおいて、特有の歴史、文化、産業を有しており、人間と大地との関わり方の多様性(自然、産業、歴史、文化など)を学ぶことができるのです。