コンテンツ番号:776 更新日:2017年12月05日

子供海外研修を終える訪韓の画像

 2002年より始まった韓国群山市インピ中学校と大潟中学校の相互交流も15年が経過しました。この間、さまざまな困難もありましたが大潟中学生160人、インピ中学生173人が相互に訪問交流をしました。
 大潟村ではオランダとの関係から成人のヨーロッパ研修を行っていましたが、オランダへの一方的な訪問で次第に参加者が減少し、とうとう事業を中止していました。
 そうしたなか、子供たちに海外研修を行わせたいと、国際交流協会を中心に村民有志により子供海外研検討委員会を2000年に立ち上げます。検討委員会ではオランダの失敗から、相互交流を前提に調査や視察を行って相手国を台湾と韓国に絞っていきました。当時は秋田から韓国への直行便があり、利便性から韓国を第一候補にして、秋田韓国民団の事務局長である崔さんの協力も頂いて2001年12月に訪韓することとなりました。韓国を初めて訪れ、ソウル市内の中学2校、群山市内の中学2校を視察しました。その中で、群山市のインピ中学校は秋田市の郊外にあるような小規模校で、何よりも文校長先生がとても積極的でありました。この地域は、韓国併合時には日本人により稲作が行われた稲作地帯で、校内には「沃耕農民抗日抗争記念碑」が建ってありました。そうした過去の歴史も含め、隣国の韓国とすることに委員会では異論はありませんでした。
 その後、インピ中学の文校長先生から連絡が入り大潟村を夏に訪問したいとのことでした。検討委員会を実行委員会に移行して、2002年4月に再び韓国を訪問して群山市教育委員会とインピ中学校との交流協定を締結しました。そして、その年の8月に第一回の相互交流が行われました。あれから15年が経ちましたが、良い相互交流ができたと思っています。
 韓流ブームで交流が盛り上がった時から竹島問題や慰安婦問題、そして北朝鮮の脅威と隣国との関係は冷え込んできて、韓国と日本の政治的な難しさがこうした交流にも影を落とすことになることは残念なことです。
 今回の訪韓では、群山市役所、教育委員会、インピ中学校を訪問して交流事業の休止のあいさつをしてきました。それぞれ韓国側でも残念な想いはありましたが、やむを得ない状況認識であり、情勢が変われば再開しましょうとインピ中学校長と別れの言葉を交わしました。
交流に参加した子供たちの中には今でもメールの交換を続け、韓国に留学した学生もいます。今後も民間レベルの交流が深まることを願っています。
 今までご協力頂いた皆様に深く感謝申し上げます。
 カムサハムニダ!

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