コンテンツ番号:673 更新日:2015年11月30日

デンマークエピソード3 「住民参加の地域熱供給事業」の画像
小規模木質チップボイラー(2機)

 デンマークの熱供給事業は、拠点ボイラーで地域全体の熱需要(暖房や温水)をまかなう事業です。熱供給事業を推進する政府の政策と共に、計画から事業化までしっかりとしたサポート体制もあり、長年取り組んできた実績は90%の普及にまでなっていて、当たり前のインフラとなっています。それは正に、日本の水道事業の様なものです。
わずか45戸の会員で構成された小規模の地域熱供給事業から、数千戸から数万戸の会員で2000キロに及ぶ熱道管を要した大規模な事業まで、すべて地域住民が関わる形で事業が進められていました。
 そして、石炭や石油、天然ガスのボイラーからゴミ焼却場や木質チップ・麦ワラなどのバイオマスボイラーへ転換が進み、それも、小規模分散型で地域の事情に合わせた事業の組み立てを綿密に行って、その管理にも地域住民が深く関わっているのが特徴的でした。
 
 大潟村で一番利用価値のあるバイオマス資源は籾殻です。事前にサンプルを持ち帰っていたボイラー会社では、籾殻の問題点なども把握していて、その対策についての説明もありました。
 大潟村でも、籾殻を活用したバイオマス事業により、地球温暖化防止と地域資源の活用による地域の活性化に結びつけていきたいと思います。
 デンマークのように地域の資源は地域住民主体で活用し、その利益も地域に還元する。そうした考えで、本年度はマスタープランを策定して、事業化を検討していきたいと思います。

 今回の視察でお世話になった、在日デンマーク大使館の田中様、State of Greenの皆様、Plan enegiのjens様、通訳の富岡様・水島様、Isepの飯田様・吉岡様はじめ、視察を受け入れていただいた全ての皆様に深く感謝申し上げます。