コンテンツ番号:709 更新日:2016年07月21日

田んぼの生物多様性向上10年プロジェクト地域交流会in大潟村の画像

 7月8日に田んぼの生物多様性向上10年プロジェクト地域交流会in大潟村が干拓博物館を会場に開催されました。
 大潟村では、1980年頃から有機栽培が始まり、1983年に除草剤CNP(魚毒性の強い)の使用を禁止、1990年農薬の空中散布中止、1990年代環境保全型農業の多様化、有機栽培の拡大、2001年環境創造型農業宣言、2012年環境基本条例制定、このように農業の環境に配慮した取り組みは年々深化してきました。
 こうした取り組みが進んだ背景には、大潟村の土壌が湖底の堆積物からできていて肥沃であり化学肥料の使用量が少ない、海からの風が適度に吹いていて病害虫の発生が少ない、山が無く日照時間が長い、そして何より農業者の意識が高いことが上げられます。
 このように、農業を中心に人の関わりのなかで、大潟村の自然は豊に育まれてきました。田んぼの微生物がイトミミズやミジンコなどの餌となり、更にヤゴやドジョウ、小鳥、大型の鳥、猛禽類と食物連鎖が続き豊かな自然を形成しています。こうした水田農業を中心とする自然環境を、私たちは「湿地性里山環境」と呼んでいます。
 ラムサール条約では、平成21年に水田決議を採択し食料生産と生物多様性の重要な湿地に水田を位置づけました。水田は人の営みと自然が共生する象徴であると思います。
 翌日は、「田んぼの生き物調査」と「コナギを愛でて食べる会」があり、ご飯もおかずも田んぼからと言うことで、おにぎりと有機栽培の水田雑草のコナギとザリガニを料理して食べました。美味しかったです!