コンテンツ番号:672 更新日:2015年11月30日

デンマークエピソード2 「肥料偽装事件」の画像
デンマークのホテル

 デンマークのホテルで11月19日午前3時に電話が鳴り、出てみると農林水産省食料産業局長の櫻庭局長で、大変驚きました。その日に公表する内容を事前にご連絡いただいたもので、心遣いにとても感動した次第です。
 デンマークに出発する前の11月12日農林水産省はカントリー公社の藤田社長と全国農業協同組合中央会は藤田社長と小林組合長と共に訪問して、肥料偽装事件への対応をお願いしてきたところでした。

大潟村では、長年環境に配慮した「環境創造型農業」を推進してきました。農家は環境に配慮した栽培に取り組み、減農薬・減化学肥料の特別栽培米や有機栽培に力を入れてきました。最近では、八郎湖の水質に配慮した栽培にも取り組んでいて、農地の約80%で環境に配慮した栽培を実践しています。
 そうした中での今回の事件でした。一部農家が使用していた肥料は有機質100%のものに、化学肥料が意図的に混入していたとのことです。肥料会社は、単に製造コストの削減のためだけにそうしたことを長年繰り返していたことは、憤りを通り越して呆れるばかりです。
 農家は、全農のマークの付いた有機質由来100%の肥料を信じて使っていたわけで、第一の被害者であります。
 また、そうした肥料を使用して栽培した特別栽培や有機栽培の認証をとった農作物を購入していた消費者はじめ卸・小売りの皆様にも迷惑をかける結果となったことはとても残念です。
 そのような状況がわかった時点で、いち早く認証を取得した農作物の販売を停止したことは、最善の策だったと思います。
 村としても大きな問題と捉えて、大潟村農協・カントリーエレベーター公社と情報交換の場を設けて意見交換しました。その中で、農家のためにも概算金は当初の予定通りに支払うこと、被害額に関してはカントリーが中心となり全農に請求していくこと、今後も情報交換を継続していくことなどを確認しました。
 そして、11月12日には農林水産省食糧産業局長の櫻庭局長を訪ね、今回の事件に関しする要望と意見交換をしてきました。農林水産省でも早々に対策チームを設置して対応に当たられていたことは心強く思いました。しかし、認証表示に関しては厳格に対応しなければならないことなど、法律として守らなければならないことは理解してもらわなければならないとのことでもあります。
 同日、全国農業協同組合中央会の奥野会長にも要望に行きまして、意見交換をしてきました。全農の奥野会長からはお詫びの言葉と共に、全農に対する適切な農家への対応を指示していることなどのお話でした。また、消費者対応もしっかりやるように話しているとのことです。
 農水・全中ともにしっかり対応していただいていることは、心強いものがありました。全農は販売の責任者として、農家等への補償はしっかり行っていただき、そのうえで肥料会社とのことは全農との間で解決していただきたいと思います。